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電撃コラボレーション『フユコイ ―彼女たちの言えない事情―』を読んで【ラノベ・アンソロジー】

さて、今回は電撃コラボレーションの『フユコイ ―彼女たちの言えない事情―』を読んだ感想です。

こちらの作品はもともと雑誌の付録です。紙版を手に入れるのは古書店やヤフオク・メルカリなどを利用する必要があります。ただ、電子書籍化されていますので、そちらであれば簡単に読むことができます。

電撃コラボレーション

もともとは雑誌『電撃hp』『電撃文庫MAGAZINE』誌上にて行われた企画で、「電撃作家陣が同じテーマ&同じシチュレーションのもと、コラボレーション作品を描く」がメインコンセプトです。wikipediaによると、かなりの企画が開催されているようです。

その中で電撃文庫創刊15周年記念企画として、2008年に『まい・いまじね~しょん』『MW号の悲劇』『最後の鐘が鳴るとき』の3企画が文庫化されました。その後『電撃文庫MAGAZINE』では「まるごと1冊“電撃文庫”」として、5冊アンソロジー企画がそのまま付録になっています。

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フユコイ ―彼女たちの言えない事情―

学内一の美少女と同居する少年、彼女に関する噂が気になる少年、美少女ゲームのヒロインに恋する少年、クラスメートが「殺し」のターゲットとなってしまった暗殺者の少年!? 彼らが見たヒロインたちの秘密とは? 同じクラスの4組の男女がおりなす恋愛青春群像劇。

電撃文庫MAGAZINE2014年1月号の「まるごと1冊“電撃文庫”」付録。現在は電子書籍で読むことができます。

収録作品
ゆきのはな / 岩田洋季
ヒミツな彼女の脱がせ方 / 上月司
量産型彼女、初春レイ / 御影瑛路
アサシンズ・ダイアリー / 時雨沢恵一

読んだ感想

今回のお題は、「ヒロインに隠された1つの秘密」をテーマにした冬の物語。

ゆきのはな / 岩田洋季

クリスマスプレゼントとして、父親が連れてきたのは美少女・雪花だった。雪花と一緒に暮らすことになった主人公は周囲から羨ましがられていたのだが……

源氏物語のとあるエピソードをなぞるような関係性を見せつつ、主人公と雪花の微妙な関係と恋の行方を描きます。トップバッターとして、ストレートな恋愛話と言ってよいでしょう。

岩田 洋季(いわた ひろき) 2002年『灰色のアイリス』でデビュー。代表作はアニメ化もされた『護くんに女神の祝福を!』 現在も電撃文庫で活躍中。

ヒミツな彼女の脱がせ方 / 上月司

付き合い始めたばかりの彼女との初めてのお泊り旅行を描く、ちょっとエッチ?なラブコメ。とある情報から彼女の胸には2つ並んだホクロがあると聞き、それを確かめるべく奮闘する主人公。

下品にならないギリギリのところのレベルのラブコメ。付き合い始めたばかりなのに、2人で温泉旅行へ行くって時点で、ある程度彼女の姿勢がわかるよね。男子より女子のほうが強かです。

上月 司(こうづき つかさ) 2004年『カレとカノジョと召喚魔法』でデビュー。代表作に「れでぃ×ばと!」シリーズ。現在も電撃文庫で「世界征服系妹」を執筆されています。

量産型彼女、初春レイ / 御影瑛路

こちらはちょっと変化球な作品。VRキャラの初春レイと幼なじみの少女をめぐる、ラノベ脳な少年の話。前2作がわりとストレートな物語だったのに対して、こちらはトリッキーな展開で、最後はちょっと驚かされました。

御影 瑛路(みかげ えいじ) 2005年『僕らはどこにも開かない』でデビュー。同作は電撃文庫では初めてとなるイラストのない作品。代表作に『空ろの箱と零のマリア 』など。

アサシンズ・ダイアリー / 時雨沢恵一

タイトル通り、日記形式で綴られる作者の趣味が全開の暗殺者の物語。敵の正体は途中である程度わかるのですが、そこからのひと捻りが面白いです。たしかにお題は「秘密を持った少女と冬の物語」で恋愛モノに限られてはいないのでした。意表をついてくる電撃コラボの時雨沢恵一作品は、やはり面白いです。

時雨沢 恵一(しぐさわ けいいち) 2000年に『キノの旅』でデビュー。現在も続く『キノの旅』は電撃文庫のみならず、ライトノベルを代表するシリーズ作品と言え、アニメ化もされています。それ以外にも「学園キノ」「アリソン」など人気作多数。現在は電撃文庫「ソードアート・オンライン」のスピンオフ作品「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」が人気です。

まとめ

前2作品がストレートな恋愛モノで、後ろ2つはライトノベルらしい、ちょっと特殊な設定の作品。どの作品も安定の出来で、楽しんで読めました。作品数が4つというのが、ちょっと物足りないかなと。もっと読ませてほしいと思いました。

4作品の中ではやはり、時雨沢恵一の「アサシンズ・ダイアリー」が1番楽しめました。やはり電撃コラボには、時雨沢恵一か成田良悟がどちらかが必須だなと改めて思った次第です。

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