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【#SFラノベ愛を叫ぶだけ 】90年代SFラノベまとめ 1【宇宙モノ】

先日、twitterで「#SFラノベ愛を叫ぶだけ 」というスペースが開催されていて、聞いているうちに90年代のSFラノベをもうちょっと詳しく知りたいなと思いました。

90年代のライトノベルについては、今となってはなかなか情報が手に入りづらいし、ラノベの歴史の中で語られる作品はだいたい決まっています(その多くはファンタジー作品)。そこでどんなSFラノベがあったのか、改めて調べてみることにしました。

どんな作品があったのか、調べた結果をまとめておきます。

SFとは?ラノベとは?

本題に入る前に、まずSFとは何か?ラノベとは何か?という話になります。これらについては全員が納得できる定義はありえないでしょう。この記事において、どうするかです。

まずSFの部分は大まかなジャンルで考えます。宇宙もの(スペースオペラ)、ロボットもの、電脳もの(サイバーパンク的なもの)、学園SF、その他といったところです。これらはあらすじから基本的に判断しますので、ファンタジーと思って読み進めていくと実はSFだったというようなものは含みません。SFかどうかではなく、SF的な作品をピックアップするのが今回の目的で、あとの判断は読む人次第です。

またライトノベルの定義も様々な考え方があるので、ここでは角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫、電撃文庫の3レーベルから出版された文庫作品から探すことにします。この3レーベルだけでも膨大な数の作品がありますので、他のレーベルまではなかなか手が出ません。集英社スーパーファンタジー文庫やログアウト冒険文庫の作品もとりあげますが、これらはすでに手持ちの作品があるのでそれらを紹介する形です。

さて、90年代ラノベはファンタジー全盛だったと言われますが、そのなかでどんなSF作品があったのか、興味のある方は参考にしてみてください。

なお、リンク及び画像をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします。あらすじ等詳しく知りたい場合は、そちらを参照してください。

宇宙もの(スペースオペラ)

90年代のライトノベルでスペースオペラというと、吉岡平「宇宙一の無責任男」と庄司卓「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」が双璧といえるでしょう。アニメ化もされた作品で90年代のライトノベルを語るときには必ず出てくるシリーズなので、ここでは省略します。なお、どちらの作品も現在、電子書籍で読むことができます。

宇宙豪快ダイザッパー とまとあき・塚本裕美子 全2巻


※写真は電子書籍版

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:とまとあき・塚本裕美子
イラスト:伊東“燃える”岳彦 (富士見ファンタジア文庫のみ)

1)スターダスト・ラプソディ 出版年:1989/05
2)スターシップ・オペレッタ 出版年:1989/09
※電子書籍化されています。

とまとあきと塚本裕美子の夫婦コンビによるスペースオペラコメディ。タイトルのダイザッパーは作中に登場する万能自動宇宙服マルチ・ムーバーの名前とのこと。

サイバーナイト 山本弘・グループSNE 全4巻

文庫:角川スニーカー文庫
著者:山本弘・グループSNE

1)ドキュメント 戦士たちの肖像 出版年:1990/09 イラスト:佐藤典司・吉富昭仁
2)漂流・銀河中心星域〈上〉  出版年:1991/07 イラスト:吉富昭仁・藤田一己
3)漂流・銀河中心星域〈下〉  出版年:1991/12 イラスト:吉富昭仁・夢野 れい
4)サイバーナイト2―地球帝国の野望 出版年:1994/07 イラスト:青木 純

PCエンジン用RPGの小説版。ハードSFとして評価も高い。電子書籍化はされておらず、古書としての価格は高くなっています。

問答無用のたからもの とまとあき・塚本裕美子 全3巻

文庫:角川スニーカー文庫
著者:とまとあき・塚本裕美子
イラスト:新谷かおる

1)問答無用のたからもの 出版年:1991/05
2)海賊でいこう!  出版年:1991/09
2)これが天下の大当たり!  出版年:1991/12

あらすじからは宇宙海賊モノ、宇宙大活劇風コメディとのこと。とまと・塚本コンビなので、ダイザッパーと同じようなテイストっぽいのかも。イラストが漫画家・新谷かおると豪華です。

クレギオン 野尻抱介 全7巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:野尻抱介
イラスト:弘司

1)ヴェイスの盲点 出版年:1992/06
2)フェイダーリンクの鯨 出版年:1992/12
3)アンクスの海賊 出版年:1993/06
4)サリバン家のお引っ越し 出版年:1993/12
5)タリファの子守唄 出版年:1994/11
6)アフナスの貴石 出版年:1996/03
7)ベクフッドの虜 出版年:1998/07

00年代星雲賞を取りまくり、SF作家として評価の高い野尻抱介氏のデビュー作。宇宙の運び屋ミリガン運送が活躍するスペースオペラ。Wikipediaによると「正義や友情でなく心の優しさを前面においたスペースオペラ」がコンセプトとのこと。現在、ハヤカワ文庫JAから復刊(電子書籍化も)されています。

深宇宙のジェシー 斉藤英一朗 全3巻

文庫:角川スニーカー文庫
著者:斉藤英一朗
イラスト:松本零士

1)大爆発 出版年:1992/06
2)封印の惑星 出版年: 1992/09
3)戦神 出版年:1992/12

ソノラマ文庫で人気のあった「ハイスピード・ジェシー」シリーズが、スニーカー文庫でニューシリーズとして復活。強靭な肉体と不屈の精神力を持つ23歳の男(実は足が早いだけ?)ジェシー・ムーアと可憐な美少女ティアナ、生体宇宙船パオロンが宇宙をさまよう物語。ソノラマ文庫ではイラストが美樹本晴彦でしたが、スニーカー文庫では松本零士に変更、しかも表紙のみで本文にはイラストなし。

「ハイスピード・ジェシー」シリーズと合わせて、もう少し評価されてもいいのにといつもおもってます。

ギャラクシートリッパー美葉 山本弘 全3巻

文庫:角川スニーカー文庫
著者:山本弘
イラスト:ゆうきまさみ

1)10万光年のエスケープ 出版年:1992/10
2)空のかなたのユートピア 出版年:1994/06
3)寄り道だらけのオデッセイ  出版年:1995/10
※電子書籍化されています。

喋る巡航ミサイルのルーくんと平均的美少女で性格の悪い中学生・美葉が宇宙を駆け巡るギャグスペースオペラ。この作品について、山本弘氏のコラムに興味深い話が乗っています。

https://shimirubon.jp/columns/1688443

もう10年以上前になりますけど、『キノの旅』の作者の時雨沢恵一さんと初めてお会いした時に、「『美葉』読んでました。だからエルメスが喋るのはルーくんの影響なんです」と言われ、びっくりしたことがあります。

ラノベ史上でも重要な作品『キノの旅』で、オートバイのエルメスが喋るのは、この作品の影響ということらしいです。ラノベの歴史ではあまり出てこない話なので、ちょっと取り上げてみました。

ロスト・ユニバース 神坂一 全5巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:神坂一
イラスト:義仲 翔子

1)幻夢 目覚める 出版年:1992/12
2)妖夢 蠢く 出版年:1993/08
3)凶夢 ざわめく 出版年:1994/05
4)悪夢 生まれる 出版年:1998/04
5)闇 終わるとき 出版年:1999/04
※電子書籍化されています。

90年代を代表するラノベ「スレイヤーズ!」の神坂一が描くスペースオペラ。トラブル・コントラクター(厄介ごと請負人)のケインとミリィが巨大企業ゲイザー・コンツェルンを隠れ蓑にした巨大犯罪組織ナイトメアと戦うコミカルスペースオペラ。

超銀河的美少女幽霊(ミルキー・ゴースト)  南田操 全1巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:南田操
イラスト:長谷川裕一
出版年:1993/01

著者には「シリウス・コネクション」シリーズという、スペオペ作品もあるようですが、単巻モノのこちらを紹介。SFに幽霊! であります。80年代なかば頃から、火浦功や岬兄悟などちょっと軽いコメディSFなんかがありましたが、その流れもあるのでしょうか。とまと・塚本コンビ作品や『スレイヤーズ!』などもですが、わりと軽いノリが時代の空気だったのでしょう。

スペース・シークレット・サービス 森弥邦夫 全2巻

文庫:ログアウト冒険文庫
著者:森弥邦夫
イラスト:此路あゆみ

1)風の惑星のチキンダイブ 出版:1994/07
2)炎と氷のバトルスペース 出版:1994/11

レースやダイビングなどスポーツを元にした競技ゲームの、万能プレイヤーでスケベ男のシュンと、情報局の美少女マキのコンビが巻き起こすアクションいっぱいのスペースオペラ。ログアウト冒険文庫というマイナーレーベルの作品ですが、わりと面白いスペオペです。

ロケットガール 野尻抱介 全4巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:野尻抱介
イラスト: 山内則康(1巻のみ)・むっちりむうにい

1)ロケットガール 出版年:1995/03
2)天使は結果オーライ 出版年:1996/12
3)私と月につきあって 出版年:1999/08

新装版
イラスト:むっちりむうにい
1)ロケットガール1 女子高生、リフトオフ! 出版年:2006/10
2)ロケットガール2 天使は結果オーライ 出版年:2006/11
3)ロケットガール3 私と月につきあって 出版年:2007/01
4)ロケットガール4 魔法使いとランデヴー 出版年:2007/08

95年から99年にかけてシリーズ3作が出版、07年のアニメ化に合わせて新装版と第4巻が出版されました。現在、ハヤカワ文庫で復刊(電子書籍化も)されています。

スペースオペラではなくて、ロケット打ち上げもので、学園モノ的要素もあり、宇宙ものといってよいのか微妙なところです。ただ理屈抜きに面白いのでおすすめです。

宇宙海賊ギル&ルーナ 中村うさぎ 全4巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:中村うさぎ
イラスト:大路流

1)物騒な女神たち 出版年:1997/08
2)獣の顔を持つ天使 出版年: 1998/02
3)さまよえるエロス(前編) 出版年:2000/05
4)さまよえるエロス(中編) 出版年:2001/12

中村うさぎというと「ゴクドーくん漫遊記」が有名ですが、スペオペも書いていたと最近知りました。

Wikipediaによると、「人類が宇宙に進出して1000年以上の月日が流れた未来、宇宙海賊業を営むギル・フォートが、愛用の宇宙船「リトル・ギル」に乗り、山猫の異名を持つルーナを始めとした仲間たちと、数々の冒険や謎に立ち向かっていく宇宙冒険活劇」とのことです。

「さまよえるエロス」前・中編が出たあとシリーズはストップしていて、後編が書かれることはなさそうです。

玻璃(ガラス)の惑星 櫻井牧 全1巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:櫻井牧
イラスト:松岡剛志
出版年:1998/02

とある惑星を舞台にした物語といったときに、SFなのかファンタジーなのか判断の難しいところ。こちらの作品はあらすじに、リリシズムあふれるSF長編とあるので、SFと判断しました。未読なので詳しいことはわかりませんが、アマゾンでのレビューで秀作と評価されている方もいますので、手を出してみるのも面白いかもしれません。

星方遊撃隊エンジェル・リンクス 伊吹秀明 全4巻

文庫:富士見ファンタジア文庫
著者:伊吹秀明
イラスト: 幡池裕行・西田亜沙子

1)誕生編 出版年:1998/04
2)激闘編 出版年:1998/09
3)帰還編  出版年:1999/05
4)銀河爆闘編 出版年:1999/08

私設警備艦隊“エンジェル・リンクス”を描く、大艦巨砲主義ならぬ「大艦巨乳主義」にもとづく中華風スペースオペラとのこと。

いったんまとめ

思っていた以上に作品数が多くなったため、ここでいったん終了にします。ロボットもの、電脳もの(サイバーパンク的なもの)、学園SF、その他まだまだありますので続きます。

一生懸命調べたんだけど、ブックオフのラノベ特集にすぐれたまとめがありました。

宇宙SFライトノベル完全ガイド ~スペースオペラ、惑星探索、冒険活劇~ | ブックオフ公式オンラインストア
宇宙SFライトノベルをまとめました。宇宙を舞台にした作品はSF小説のなかでも大きな一角を占めています。胸躍るスペースオペラ、銀河を旅する宇宙船、惑星探査、宇宙海賊、美しきファーストコンタクト。宇宙を題材にしたライトノベルをご紹介します。

これがあれば、調べなくても良かったかな……

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